がんは複雑な病気で、以前より治癒率が高くなったとはいえ、いまなお死が意識される病気です。制御を失ったがん細胞は急速に増殖し、まわりの組織や器官に浸食します。長期にわたって毒素が特定の器官に蓄積された結果、隣接した細胞がコントロール不能の成長を始めるのです。毒素を取り除かなければ周囲の細胞や組織が影響を受け、異常化した細胞は血管を通ってほかの部位に浸食していきます。

原因

正常細胞は成長、分裂、死というプロセスを秩序正しく経ますが、がん細胞は死なず、成長と分裂を続けます。がんの原因は多岐に渡りますが、主な原因は下記と考えられています。

  • 細胞分裂を繰り返すうちにDNAに傷がついたり、突然変異が起きる
  • 遺伝的素因
  • 喫煙(受動喫煙を含む)、アスベスト、放射線、紫外線、車の排気ガスなど発がん物質との接触
  • 飲酒、肥満
  • 運動不足
  • 太陽光、紫外線の浴びすぎ
  • 食品添加物
  • ストレス

アーユルヴェーダの見方

アーユルヴェーダによるがん治療は、根本原因を探るホリスティックな方法をとります。患者の性質や体質、増悪したドーシャの分析、影響を受けている組織(ダートゥ)の分析などに基づいて治療を行います。患部だけでなく体全体を治療の対象とします。体全体が調和を摂り戻し、がんが再発しないようにするためです。細胞のがん化を引き起こした毒素の排泄と浄化を行います。具体的には血液を浄化する生薬の処方と、毒素を排泄する食事療法を行います。さらに循環を促進するハーブを用いて、血液循環の改善、毒素の効果的な排泄、組織の治癒促進を目指します。免疫力を回復させるハーブとミネラルも処方し、体力を失った患者の体力強化を図ります。

心のリラクゼーションは治療の重要な一環です。感情の抑制や心の停滞はがんの大きな要因であり、効果的な治療を阻む阻害要因でもあるからです。がんの治療には個性の深い部分での自己治癒が必要です。瞑想、カウンセリング、ヨガ、呼吸法(プラーナヤーマ)、スピリチュアル哲学の学びなどは、パーソナルヒーリングの効果を上げるために必要な行いです。

アーユルヴェーダの治療

がんに対するアーユルヴェーダのホリスティックな治療方針は下記のようなものです。

  • トリドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファ)のバランスの崩れを促す食べ物やライフスタイルを断つ。
  • パンチャカルマによる毒素の排泄。
  • 消化の火(ジャターラグニ)の回復。
  • ヤサーヤナによる細胞若返り。

アーユルヴェーダの生薬は化学療法や放射線療法と併用することができます。術後のケアにも効果的です。また、アーユルヴェーダの生薬は化学・放射線療法の副作用を軽減する働きをします。

食事とライフスタイル

  • 抗がん成分を含む食品や免疫力を高める食品を積極的に食べましょう。
  • 毒素(アーマ)の蓄積を防ぐために消化しやすい食品を食べましょう。
  • 砂糖を断ちましょう。
  • 喫煙をやめ、飲酒も控えましょう。
  • 果物、野菜、全粒穀物を十分に食べましょう。
  • 高脂肪食品、動物性脂肪を断ちましょう。