今日、世界の多くの人々がストレス、神経過敏、不安症、うつなどのメンタル不調に苦しんでいます。大人だけでなく子供も例外ではありません。心の乱れによる犯罪は増え続ける一方です。生きている限り、いいことも悪いこともあるのですが、心が弱くなる、つまりサットヴァが少なくなると、困難に直面したときに心は折れてしまいます。極度なストレス、不安感、うつ的状態は日常生活を困難にします。

原因

心のバランスの崩れは基本的にドーシャ、とりわけヴァータの増悪と、心がラジャスまたはタマスに傾くことが要因とアーユルヴェーダでは考えています。ぱさぱさした食べ物、炭酸入りドリンク、軽い物、冷たい物、古い物、缶詰、加工食品、ジャンクフード、コーヒー・紅茶の飲みすぎなどは体を乾燥させ、ヴァータを増やしてしまいます。にんにく、玉ねぎ、肉、アルコール、古くなった食べ物、脂っこい物、辛い物は心のラジャスとタマスを増やし、心のバランスを崩します。また、同時に複数の仕事を平行して行うこと、旅行のしずぎ、過度な断食、深夜の仕事や遊び、うるさい音楽を聞くこと、四六時中忙しく走り回っていることなどもドーシャを乱す原因になります。ドーシャの増悪は心のバランスを崩し、ストレス、怒り、神経過敏、抑うつ感といった状態に陥りやすくなります。こういう状態が長くつづくと、やがて深刻なうつに発展する可能性があります。

兆候・症状

症状は人によって異なります。絶えず悲しみ、不安感、空虚感、孤独感、絶望感を感じたり、罪悪感、無力感、自分には価値がないといった思いに囚われたりします。ものごとに興味がなくなったり、暗い部屋に引きこもるようになる人もいます。いらいら、落ち着きがなくなる、涙もろくなる、自殺したいという考えにとりつかれる、自殺未遂をする、不眠、早朝に目が覚める、過剰に眠る、過食、食欲不振、腰痛、消化不良、差し込むような体の傷み、頭痛、記憶力低下といった症状も出てきます。

食事・生活スタイル

アジュワン(セロリの種)、しょうが、クミン、コリアンダー、ターメリック、オレガノ、シナモン、マスタードシードなどヴァータを鎮めるスパイスを食事に活用しましょう。脳を滋養するギーを食事に使うのもよい方法です。調理したての温かい食事をし、加工食品、缶詰、ジャンクフードは避けます。アルコールなど心を乱す物も避けなければなりません。コーヒー・紅茶よりハーブティーを飲みましょう。どうしてもコーヒー・紅茶を止められないのなら、朝、少量を飲む程度にしてください。夜、就寝前にホットミルクを飲むとよく眠れます。

朝は早起きして散歩をしましょう。軽やかな明るい音楽を聴いたり、人と競わない屋外スポーツをすることもいい方法です。毎日、新鮮な空気を吸い、陽の光を浴びることも大切です。自然のなかに身を置いたり、気の置けない人と一緒に過ごすことも気持ちを軽くしてくれます。信用できない人、困窮している人、不正直な人、怒りをもっている人とは付き合わないほうがいいでしょう。破壊的な行動を慎みましょう。同時に複数の仕事をこなすのではなく、一つの仕事に集中すべきです。現実的に達成困難な目標を設定することを止め、無理をしなくても達成できる目標を設定しましょう。現実をありのままに受け入れる、肩の力を抜いた生き方が大事です。

毎日の生活のなかで、ささいなことでもいいので感謝することを見つけましょう。感謝している相手に「感謝しています」と言いましょう。変えることができない過去にこだわったり、未来の結果を過剰に心配することは意味がありません。現在に生き、現在を見つめることです。スピリチュアルなことを見つけることも大事です。心を上向かせてくれる本を読んだり、瞑想をすることもよい方法です。思いやり、誠実、許し、感謝、心の浄化を大切にすることです。自分を愛し、人を愛しましょう。自分に対しても人に対してもリラックスした態度で望むことが大切です。

ホームレメディー

  1. 朝食前にリコリスパウダー小さじ1杯を白湯とともに摂る。アーユルヴェーダでは心の若さを回復する効果(medhya rasayama)があると考えられている。
  2. アーモンド8粒を一晩水につけ、翌朝薄皮をむいてグラインダーでつぶす。ホットミルクにアーモンドと黒コショウ一つまみを入れて飲む。
  3. アジュワン(野生セロリの種)、カルダモンパウダー、シナモンパウダー、ローズペタルを同量混ぜておく。小鍋に小さじ1杯のミックススパイスと水1カップを入れ、20分くらい弱火で煎じる。濾して精製していない砂糖を小さじ1/2杯加える。これを1日2回飲む。
  4. 沸騰した湯カップ1杯に生のばらの花びらを適宜入れ、湯がぬるくなるまで置く。精製していない砂糖小さじ1杯を加える。1日2回飲む。落ち込んだ心を上向かせる効果がある。
  5. 水1カップにホーリーバジルの葉8-10枚、すりおろしたショウガ小さじ1/4杯、カルダモンパウダー一つまみを加え、15分間弱火で煎じる。精製していない砂糖1/2杯を加えて、ぬるい温度まで冷ます。これを1日2回飲む。
  6. 豆乳1カップにオートミール大さじ3杯を加えて加熱する。沸騰したら弱火にして、プディング状に粘りが出るまで煮る。精製していない砂糖小さじ1杯、刻んだアーモンド、レーズン、パンプキンシードを適宜加える。気持ちを落ち着かせたくて何かを食べたくなったとき、これを食べる。ジャンク菓子は食べないこと。
  7. 熱湯1カップにローズマリーの葉8枚を入れる。5分間置く。荒熱がとれたら、はちみつ小さじ1杯を加える。これを1日2回飲む。
  8. 水1カップにミントの葉8-10枚を入れ、15分間弱火で煎じる。冷めてからはちみつ小さじ1杯を加える。これを1日2回または朝食前に1回飲む。
  9. 生アーモンド7粒、アニスパウター小さじ1、黒コショウ一つまみ、牛乳カップ1、はちみつ(任意)。アーモンドを一晩水につけ、翌朝薄皮をむく。すりつぶす。小鍋にすべての材料を入れ沸騰させる。カップに注いて、粗熱がとれたら、好みではちみつを加える。はちみつはお鍋に直接入れてはいけません。